【カイツブリ通信 第10回】たのみのつばさ

2020.02.21

心躍るはずの春の到来も、井の頭池のカイツブリにとっては苦難の始まりです。すでに冬越し組は池を去り、4月8日に確認できたのは2羽だけでした。やはり食糧難に陥っているようで、今年の子育ても無理かもしれません。

カイツブリの楽園の復活は、外来魚が一掃され、在来の小魚やエビが増えるまで待つしかないようです。かいぼりで外来魚を駆除するとカイツブリが再び繁殖できるようになることは、すでに他のいくつもの池で確認されています。井の頭池のかいぼりが待たれます。池の水がなくなるとカイツブリは暮らせないので、どうなってしまうのか心配な方もいるでしょうが、大丈夫です。すでに分かったように、カイツブリは他の池や川に飛んで移動することができます。かいぼり後には、今と同じ個体ではないかもしれませんが、再びカイツブリが井の頭池に飛来し定着するでしょう。

それにしても、カイツブリのこじんまりとした肩羽の下に長距離を飛行できる翼がしまわれているとは、分かっていても信じ難いものがありますね。

田中利秋 井の頭かんさつ会

カイツブリとは…
得意の潜水で小魚やエビを捕まえる、小さな水鳥です。
池や川にカップルで縄張りを作って暮らし、子育てをします。

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(いのきちさん10号 2013年5月1日発行 掲載)