【カイツブリ通信 第11回】淋しい池

2020.02.28

池畔の林は小鳥の親子で賑やかなのに、池に水鳥の親子が見られないのが淋しいです。バンも最近子育てをしていないし、6月10日に現れたカルガモ親子もすぐ神田川へ引っ越しました。井の頭池に足りないのは小魚とエビだけではないようです。カイツブリは食糧難のため子育てはおろか定住する個体もいなくなりました。池に飛来するものは時々いるのですが、すぐに去っていきます。6月初め以降はそれも途絶えていました。

6月17日早朝、久しぶりにカイツブリを見つけました。夕方、それが池の中ほどで静かに浮かんでいたので、日暮れを待って飛び去るつもりらしいと思い、見守りました。すっかり暗くなった午後7時50分、カイツブリは「キーッ」と数回鳴いた後、滑走して飛び立ちました。しかし、向かった先は上空ではなく島の陰。今日は思いとどまったようです。原稿の締め切りを過ぎてしまったので結末を書けませんが、去るのは時間の問題でしょう。

田中利秋 井の頭かんさつ会

カイツブリとは…
得意の潜水で小魚やエビを捕まえる、小さな水鳥です。
池や川にカップルで縄張りを作って暮らし、子育てをします。

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(いのきちさん11号 2013年7月1日発行 掲載)