【カイツブリ通信 第13回】がまんの時

2020.03.13

私がカイツブリを最後に見たのは8月28日、その後は目撃情報もありません。例年晩秋に冬越しの個体がやってくるのでまだ可能性はありますが、この冬は池のかいぼりです。カイツブリの姿が見られない期間が長く続きます。

かいぼりが終わっても、在来の小魚やエビが増えないとカイツブリは定住できません。彼らの餌の筆頭はモツゴ(クチボソ)です。その絶滅を防ぎ、かいぼり後の池に放流するため、我々はひょうたん池の「いけす」でモツゴを保護・増殖しています。ところが、今年の7月ごろから、池でも外来魚に混じってモツゴが網に入るようになりました。数が少し回復しているようです。昨年来我々が外来魚駆除にいっそう力を入れた結果だと考えていますが、カイツブリの不在もその一因かもしれません。モツゴにとっては、オオクチバスほどではないものの、カイツブリも立派な天敵です。井の頭池を良い池に戻すためには、人もカイツブリも辛抱が必要です。

田中利秋 井の頭かんさつ会

カイツブリとは…
得意の潜水で小魚やエビを捕まえる、小さな水鳥です。
池や川にカップルで縄張りを作って暮らし、子育てをします。

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(いのきちさん13号 2013年11月1日発行 掲載)