【カイツブリ通信 第20回】定住者と滞在者

2020.05.01

12月中旬の調査では、井の頭池のカイツブリは8羽でした。お茶の水池の上流側とボート池の池尻近くにカップルが縄張りを構え、その間のスペースに他の4羽が暮らしています。両カップルはどちらも仲が良く、仮の巣を一緒に作ったりするデートを繰り返していて、縄張りの防衛意識も強固です。次の子育てに備えているのでしょう。一方、他の4羽には縄張り意識が見られず、激しく争うことなく同居しています。単にここで冬を越すのが目的のようです。大きな川や湖ではカイツブリの集団越冬が見られますが、冬の井の頭池にこれほど多くの個体が暮らすのは近年なかったことです。

その理由は、やはり食糧事情の改善でしょう。岸辺の虫を懸命に探す姿をほとんど見なくなりました。水温低下で動きが鈍ったブルーギルの稚魚をよく捕っていますが、それは昨年以前も大量にいました。他の小魚など水中の餌動物がかいぼり効果で増えたのが、今年の違いだと思います

田中利秋 井の頭かんさつ会

カイツブリとは…
得意の潜水で小魚やエビを捕まえる、小さな水鳥です。
池や川にカップルで縄張りを作って暮らし、子育てをします。

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(いのきちさん20号 2015年1月1日発行 掲載)