2月9日の時点で、井の頭池のカイツブリはカップルともう一羽の3羽です。写真は、合流したカップルが「キリキリキリ・・・」と鳴き交わしているところです。
子育て中でないカップルはなわばり内を別々に行動し、出会うと嬉しそうに大声で鳴き交わします。この鳴き交わしは関係を維持する上でとても重要な儀式のようです。さらに、一緒に巣材を運ぶ作業をしたり交尾行動をしたりして、絆を深めていきます。できたての熱々カップルは、なわばり内を二羽でずっと一緒に行動する、いわばデートをよくしますが、安定したカップルは必要最小限のことしかしません。この辺りはカイツブリも人間も同じのようです。
二羽は羽の色がすっかり濃くなり、仲も安定しています。交尾行動も見られました。いつ子育てを始めてもよさそうに見えます。気候、メスの栄養状態、子育て中にヒナと自分たちの餌を十分確保できるかなどを見極めているのでしょう。春はすぐそこです。
田中利秋 井の頭かんさつ会
カイツブリとは…
得意の潜水で小魚やエビを捕まえる、小さな水鳥です。
池や川にカップルで縄張りを作って暮らし、子育てをします。
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(いのきちさん3号 2012年3月1日発行 掲載)