【カイツブリ通信 第6回】見限られた池

2020.01.24

食糧難に耐えていたカップルが6月初旬に姿を消し、井の頭池はカイツブリが住んでいない池になってしまいました。台風一過の6月21日になんと5羽、29日には若い個体と成鳥各1羽、7月6日と17日に成鳥、そして8月2日には親離れしたばかりらしい若鳥が姿を見せましたが、いずれも翌朝までに去っていきました。今の池では生きていけないのです。

カイツブリが普通に暮らせる池に戻すべく、我々はすでに5年間も外来魚の駆除を続けています。オオクチバスとブルーギルが減ればカイツブリの餌になる在来の小魚やエビが増えるはずです。しかし外来魚の繁殖力はすさまじく、在来生物は数を回復できていません。

じつは、6月29日に現れた成鳥は以前いたカップルのメスでした。2004年に生まれて以来この池で暮らしてきたカイツブリです。状況が良くなっていないかようすを見に来たのでしょう。なんとか彼女の期待に応えたいのですが・・・。

田中利秋 井の頭かんさつ会

カイツブリとは…
得意の潜水で小魚やエビを捕まえる、小さな水鳥です。
池や川にカップルで縄張りを作って暮らし、子育てをします。

本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。
(いのきちさん6号 2012年9月1日発行 掲載)