【私と井の頭公園 第17回】辛うじて残っている自然を守りたい 高野 丈/写真家・編集者

2020.02.11

井の頭かんさつ会や井の頭バードリサーチの活動をとおして、積極的に井の頭公園の自然を伝えている高野丈さん(42歳)。2005年8月末からは毎日、通勤前に自然観察の記録をつけている。

2003年に北海道で探鳥会の手伝いをしたのが、自然保護運動に関わったきっかけです。そのころは、井の頭公園ではたいしたものは見られない、北海道や東北や信州など遠くへ行かないと、と思っていました。ところが良く見ると、多様な動植物がいることが分かった。井の頭公園の見方がガラッと変わりました。周りの自然環境が少なくなっているだけに、自然が辛うじて残っている公園を守らないといけないと思ったのです。

例えば、井の頭公園と玉川上水近辺では、私たちの観察で143種の鳥を確認しています。その内の12種は環境省版のレッドリストに記載されています。ミゾゴイなどは世界で1000羽しかいないといわれている鳥です。この鳥が毎年井の頭公園に立ち寄るんです。エサの豊富さに加え、隠れる場所があるからですね。植物でもやはりレッドリストに記載されている数種のランが上水沿いに見られます。

この10年近く、自然観察会を開いてきましたが、参加者のみなさんは身近な井の頭公園に多様な生きものがいることに気づくと、井の頭公園の見方がガラッと変わるんです。私の10年前と同じです(笑)。観察を通じてそういう感動を沢山伝えるのが楽しく、生きがいになっています。これからも続けていきたいですね。

高野 丈 写真家・編集
聞き手・写真 川井信良 株式会社文伸 代表取締役社長

環境省版レッドリスト絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト。日本に生息又は生育する野生生物について、専門家で構成される検討会が、生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を科学的・客観的に評価し、その結果をリストにまとめたものです。環境省HP

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(いのきちさん17号 2014年7月1日発行 掲載)