文印伸刷のいま むかし謄と写し版ば印い刷さつ(ガリ版)軽オフセット印刷んゃうんP “超・街の印刷屋”を目指し、新しい価値の創造に挑戦し続ける私たち文伸。印刷以外の業務でお役立ていただく機会が増える中でも、やっぱり印刷にはこだわりたい!作現場を支えてきた印刷技術の変遷を辿ります。そんな思いを込め、制版自体に穴を開け、そこからインクを擦りつける手法(=「孔こう版はん」)を利用する「謄写版印刷」。表面にロウを塗った「原紙」に鉄筆で文字や画像を書くと、描画した部分のロウが削られ、その上からローラーなどでインクを塗ると、削られた箇所だけインクが押し出されて印刷されるという仕組みです。原紙を削る音から「ガリ版」とも呼ばれます。文伸印刷はこの“ガリ版屋”としてスタートしました。平らな版を用い、水と油の反発を利用して印刷する手法を「オフセット印刷(平版印刷)」と言います。多くの印刷物はこのオフセット印刷によるものです。この原理を応用した簡易印刷方式を軽オフセット印刷といいます。多色刷りはできませんでしたが文字主体の印刷に適し、特に印刷の版をアルミでなく紙にした紙版とのコンビで、コストを抑えた印刷方式として力を発揮しました。小中学校の手書き卒業文集や「手書き年賀状」はその代表的な印刷物でした。この頃の文伸を支えた軽オフ機たち「Revoria ress (2025年1月、文伸にとって一つの転換となる出来事がありました。昨年末、22年間の大役を終えて惜しまれつつ引退したオフセット印刷機(ハイデルベルグSM‒74 2色機)に代わり、最新のデジタル印刷機レボリアプレス)PCたる姿でBUN‒SHIN Factory一つの時代を支えた名機のフェアウェルセレモニーの余韻に浸るのも束の間、“大型新人”を迎える現場のムードは好奇心でいっぱい! 刷機を使って、次はどんなことに挑戦しようか――大きな期待、それと同じくらいの緊張感、いろいろな意味でドキドキしながら、制作の現場は動き始めました。振り返ってみると、“街の印刷屋”から始まった文伸は、技術革新とともに60余年の歴史を歩んできました。謄写印刷(ガリ版)、軽オフセット印刷、本格オフセット印刷、そしてデジタル印刷へ。時代のターニングポイントには、常に新しい技術と、最先端の印刷機の存在がありました。情報の担い手として、紙、ウェブ、動画、街そのもの、と様々なメディアを通じてコミュニケーションをサポートする私たちは、より豊かな表現を常に模索しています。時代とともに新しい技術が発展していく中、印刷の可能性も無限大。より良い技術と方法を探りながら、もっと自由にさらに楽しく、「人に伝える・人とつながる」をお手伝いしていきます!1120S」が、堂々にやってきたのです。さあ、この新しい印単色機両面機二色機床上軽オフセット印刷機を扱う、現会長・川井信良(撮影当時28歳)当時人気となった「手書き年賀状」セットは、ダイレクト製版機と軽オフ機を駆使して制作され、全国の同業者にも販売した開業当時、謄写判印刷の原紙筆耕をする、創業者・川井捷一郎謄写版印刷で制作された開業時の御挨拶状(右)と、同時期のシルクスクリーン印刷による年賀状(左)1970年代~1990年代1962年~今号の特 集
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