とうきょうの地域教育No.153
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124事例■実施状況 実施小学校数:9校(令和6年10月1日現在) 開始時間:7:30〜8:00(学校により異なる)  終了時間:8:00〜8:15(学校により異なる)■活動内容  主に校庭での自由遊び、ボール遊び。雨天時は体育館や図書室などで実施しています。また、学校によってはDVD視聴や音楽サークルなどの取組も実施しています。事例 この事業は東京都教育委員会、都立学校、支援組織が協力して令和6年度は都内9か所で放課後や土曜日等に実施しています。今回は大塚ろう学校での、ある1日の活動をご紹介します。大塚ろう学校ではNPO法人大塚クラブが支援組織として運営しており、事務局長の高山さんにお話を伺いました。NPO法人大塚クラブ事務局長高山嘉通さんとうきょうの地域教育学校の感想保護者の声■タイムスケジュール(ある1日)10:30 - 11:30 絵画造形教室10:30 - 12:00 家族の手話教室(パパ手話)11:00 - 12:00 キッズ英語教室13:00 - 15:30 サンサンカーニバル運営団体の感想児童の声■実施に至った経緯  保護者の出勤時刻に合わせて自宅を出た児童が校門の前で開門を待っており、安全が確保できていませんでした。また、教職員が勤務時間前に早く出勤し、開門待ちの子供たちを見守らなければならず、教職員の負担にもなっていました。この状況を踏まえて、放課後子供教室を運営している地域の方々から、「放課後子供教室を朝に実施する形で見守りができないか。」と市に相談が寄せられ、実施に至りました。■実施に当たっての調整  実施団体と学校が、実施日・時間・場所・門の開錠・活動内容(遊具の貸し出しの有無)・雨天時対応(実施場所・家庭や児童への連絡方法など)・児童の動線等について調整しました。調整にあたっては、市が間に入るなど、適宜支援しました。■実施してみてわかったこと  放課後時間帯の活動と異なり、活動後には学校での生活が控えているため、怪我や発生トラブルについて、学校側とよく情報共有することが重要です。子供の朝の安全・安心な居場所の確保及び教職員の負担軽減を目的とした事業でありますが、朝に遊べる場所をつくることで、子供にとってもいい効果が生まれています。■都立大塚ろう学校放課後子供教室の魅力 共通のコミュニケーション方法である手話を使えることと、学校ではできない体験をすることです。いろいろな経験を重ねることで子供たちの選択肢や、言葉の「たね」を増やすことができます。地元の学校に通っている子供たちは、近所の子供たちと遊ぶ日常があるのに対して、大塚ろう学校の子供たちは東京中から、一時間ほどかけて通っている子も多く、家に帰ったら相手はゲーム機しかないようなこともあります。日常にない体験を通した言葉の学習が重要だと考えています。■今後の展望 この活動も20年近くになり、今では、参加していた子供たちが大人になって、卒業生として手話教室の講師スタッフを担ってくれていたり、サンサンカーNo.153パパ手話サンサンカーニバル■実施上の課題  時間が朝早いので、放課後子供教室で活動するボランティアがそのまま参加してもらえるとは限らず、場合によっては朝のための人材を確保することが必要になります。■今後の展望  地域の実情に応じて、各小学校区の放課後子供教室運営団体の意向も聞きながら、拡充に向けて検討を進めていきます。ニバルへの出店や手伝いに来てくれたりしています。また、保護者が「家族の手話教室(パパ手話)」への参加をきっかけに「おやじの会」に参加するようになって、運営にも携わるようになるなど脈々と繋がっています。今後も縦と横のつながりが広がり、子供だけでなく大人もお互いに支え合える環境を大切に、この活動を続けていけるように頑張りたいと思います。 大塚クラブでは子供たちの可能性を引き出すための新しい取組の提案を歓迎しています。令和6年度は、外部提案からバスケットボールとプログラミングの教室を開催、サンサンカーニバルではアロマ芳香剤作り・Uber Eats配達体験を提供できました。 「こんな事をしてみたい」「こんな事ができるがどうか」といったご提案の実現に可能な限り協力したいと考えています。由井第一小学校地区放課後子ども教室推進委員会 副代表奥野玉紀 さん 朝に体を動かすことでエネルギーが発散でき、授業に落ち着いて入れるようになりました。 教員の勤務外の時間である朝の責任の所在がはっきりして、安心して子供たちを迎えられるようになりました。 朝早く出勤しなければならないため、子供と一緒に家を出られるようになりました。 子供が朝から遊びたいから朝早く起きるようになり、早起き習慣がつきました。キッズ英語教室 近隣の子ども食堂と連携し、朝ごはんを食べてから登校して校庭で遊ぶという流れができました。一日のスタートを元気よく切れるようになったと思います。NPO法人大塚クラブ平成14年の学校週5日制完全実施を前に、聴覚に障害のある子供たちの居場所を作ろうと、都立ろう学校関係者・PTA関係者・大学や聴覚障害の成人が集まって平成13年11月に活動を開始。平成17年にはNPO法人化。主に教育支援事業、子育て支援事業、相談支援事業、聴覚障害教育事業、普及啓発事業を行っている。八王子市立由井第一小学校緒方礼子 校長 朝遊んでからだと眠くならないので、授業も頑張れます。朝の居場所特別支援学校における放課後子供教室大塚ろう八王子市放課後子供教室

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