とうきょうの地域教育No.154
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5とうきょうの地域教育No.154 第一部では、玉置さんのこれまでの足跡と、インクルーシブ社会への思いについてインタビュー形式でお聞きしました。 オープニングでは先天性筋ジストロフィー(ウルリッヒ型)※6を患いながらも、モデル活動を行っている目的や活動の先にある共生社会に対する考えについて。 続いて、難病であることを自覚し、内向きだった幼少期の時のエピソードや、困難な場面で友達に頼ることができず、遠慮していた中学時代について。 そして都立高校に入学し、学年集会で自分の障害や「障害があるからといってお互いに遠慮してしまうことは避けたい」と学年の仲間たちに話したことで、積極的に友達と助け合いながら、自分らしく充実した学校生活を送れたことについてお聞きしました。 最後に、大学で福祉の領域を学んでいる理由や、同世代の当事者で組織された患者会※7の活動を通じて得たことから、インクルーシブな社会とは、障害の有無に関わらずバリア(障壁)をなくすために、お互いに交流を大切にし、誰もが選択肢を多く持てる社会(日常生活だけでなく進学、就職、趣味等も含め)ではないかという思いが語られました。 第一部に引き続き、玉置さんと同世代の登壇者3名を迎え、4人がチームとなって作り上げたインクルーシブ体験を目的とした教育プログラムを事例に、インクルーシブ社会を実現し、障害のある方をはじめとする様々な人たちと生活していく上で求められる学びの視点について意見交換を行いました。 登壇者のそれぞれの活動を含めた自己紹介の後、プログラムを作るために集まった経緯や、プログラムを作成する際に話し合った内容などに触れ、「アクションを起こせる知識と(障害のある方と触れ合う)少しの経験」、「様々な人との対話をあきらめない態度」、「(障害がある方との交流などで)身構えない姿勢」や「お互いを知ること」といった視点を、具体的な事例を伴い、示しています。インタビュートークセッション第1部interview第2部talk session※6 公益財団法人難病医学研究財団が運営(厚生労働省補助事業)する難病情報センターHPによると、先天性筋ジストロフィー(ウルリッヒ病)とは、生まれた時から力が弱い、肘や膝の関節が固くなって十分に動かせない(関節拘縮)、手首や手指の関節が過度に柔らかいなどの特徴をもつ病気です。日本では、福山型先天性筋ジストロフィーについで2番目に多い先天性筋ジストロフィーで、報告されている患者数は約300人ですが、実際はもっと多い可能性があります。(https://www.nanbyou.or.jp/entry/3999)※7 玉置さんは「ウルリッヒ病・ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー患者家族会 ウルリッヒの会」の副代表を務めています。活動の詳しい内容は会のHPを御参照ください(https://www.ullrichdisease.com/withus)シンポジウムsymposium

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