【井の頭公園の生き物たち 第13回】 ゴイサギ

2019.06.28

「いのきちさん」過去記事紹介(いのきちさん13号 2013年11月1日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞「いのきちさん」。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事ご紹介していきます―

夜が一番

七井橋吉祥寺側の脇にある小島のハンノキなどの茂みは「ゴイサギ藪」と呼ばれています。いつもこの鳥が何羽か止まっているからです。とくに冬には数が増えます。成鳥は頭の上部と背中が濃い青灰色で、翼が灰色、胴は白、頭には白く細い冠羽があります。全長58cmと図鑑に書かれていますが、全長は首を伸ばして測るのでご注意を。なお、全身が焦げ茶色で白い斑点のあるサギが混じっていることがあり、別種だと思う人がいますが、「ホシゴイ」とも呼ばれるゴイサギの若鳥です。

日中彼らが藪で休んでいるのは、夜行性だからです。日が落ちすっかり暗くなるころ次々に飛び立ち、「グワッ、グワッ」という大声を発しながら池の畔や神田川へ採食に向かいます。そのちょっと不気味な声は近くの住宅地からも聞こえます。水際で身じろぎせずに水面を凝視し、気づかずに寄ってきた魚を、普段は縮めている首を一気に伸ばして、それでも足りなければ水に跳び込んで、くわえ捕ります。左の写真は夜に浅瀬で魚を待っているところです。魚のほか、エビ類や両生類(カエルやオタマジャクシ)なども食べます。彼らがゴイサギ藪に戻ってくるのは明け方近く。単独で、あるいは何羽かまとまって飛んできますが、このときは鳴きません。

昼間に採食することもあるので、運が良いか辛抱強ければ、魚を捕るのを見ることができます。大きなブルーギルを捕まえ、苦労して呑み込むのを見ることもあります。しかし、たいていの人は時間がかかる待ちの漁に付き合いきれず、見るのを途中で諦めてしまいます。これまで会った中でゴイサギよりも辛抱強かった人はただ一人、ひたすら待ち構えてゴイサギが魚を捕る瞬間をみごとに捉えたカメラ女史だけでした。

この冬はかいぼりが行われるため、井の頭池は弁天池を除き干上がります。神田川は、地下水を供給するので、水量は保たれます。水辺に依存して生活するゴイサギがどうするのか注目です。

田中利秋 井の頭かんさつ会
井の頭かんさつ会代表。毎月自然観察会を開催。池の外来魚問題にも取り組む。

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(いのきちさん13号 2013年11月1日発行 掲載)