私と 井の頭公園 |その15「みんなで楽しく気長に続けていくことが大切」 田中淳一

2019.03.15

『いのきちさん』過去記事紹介(『いのきちさん』15号 2014年3月1日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞『いのきちさん』。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事をご紹介していきます―

みんなで楽しく気長に続けていくことが大切

田中淳一 (小金井市在住)

 

井の頭池のかいぼりが始まった。管理する東京都西部公園緑地事務所は、2011年から本格的にかいぼりを検討してきたが、その推進メンバーの一人が田中淳一さんであった。

静岡富士市の育ちです。小学生の頃、田んぼや小川でドジョウを捕まえたりして、自然の中でよく遊びました。そんな影響もあったと思います、千葉大園芸学部に進み、都に造園職として就職しました。

井の頭池のかいぼりは、西部公園緑地事務所に勤務している時、開園100周年を前に池の浄化が問題になり、かいぼり担当になりました。2011年と12年です。かいぼりは農業用水池などの浄化方法として伝統的なやり方ですが、最近では、公園や皇居などでも浄化と外来生物駆除のために実施しています。そんな各地を取材し、生態系を元に戻すことがいかに大切か学んだり、市民が参加した事例に感動もしました。

井の頭池では井の頭恩賜公園100年実行委員会や井の頭かんさつ会など、市民の方々がすでに行動を起こされていましたので、井の頭池のかいぼりは市民の方々と一緒に調査・検討を進めました。皆様に感謝しています。しかし、生態系を元に戻すことは簡単ではありません。だから今回のかいぼりをきっかけに、市民の皆さんと楽しく気長に続けて、もっと素晴らしい井の頭池にしたい。でも、かいぼり実施の前に異動になってしまい、いやー残念でしたが、後任者に託しました。

そして、かいぼり当日、市民ボランティアの皆さんが楽しそうに外来生物の駆除に参加している。報道機関も大きく取り上げてくれて、多くの人が関心を持ってくれた。本当にうれしいですね。私もかいぼりの手伝いに参加したのですが、感無量でしばらく、皆さんが楽しく一所懸命やっている姿を見続けてしまいました。(笑)

( 現在・公益財団法人東京都公園協会勤務 たなかじゅんいち )

 

聞き手・写真 川井信良

私と井の頭公園 その15 田中淳一さん

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。
(いのきちさん15号 2014年3月1日発行 掲載)


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井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞 いのきちさん 第15号

井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞 いのきちさん 第15号