井の頭自然文化園の動物たちと飼育員|その4「オリイオオコウモリと田口眞隆さん」

2018.12.04

「いのきちさん」過去記事紹介(いのきちさん23号 2015年7月1日発行 掲載)
2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞『いのきちさん』。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事をご紹介していきます―

オオコウモリ舎を見上げると、天井から逆さに吊り下がるオリイオオコウモリが目に入ります。広げると70~80cmにもなる黒い翼を、腕組みのように折り畳んだ間からは、茶色のふさふさの体毛と、つぶらな瞳、突き出た鼻がのぞきます。

夜行性のため、動き出すのは閉園間際の夕方から。フルーツバットの異名の通り、バナナやパパイヤ、リンゴや蒸かしイモが大好物で、エサが運ばれると逆さのまま歩み寄っていきます。片足でぶら下がり、もう一方の足でエサを口まで運びます。「かじって、エキスだけ吸って、固形は吐き出すんですよ」と田口眞隆さん。オリイオオコウモリは飛ぶのは上手だけれど、飛び上がるのが苦手なため、体を重くしないための工夫なのだとか。

沖縄だけに生息する亜種で、今年生まれた2頭を含めて、井の頭には7頭が暮らします。もし近づいてくる1頭がいたら、それはオリイ君。赤ちゃんのころに保護され、人の手で育てられたオリイ君は、「自分のことをコウモリだと思ってないみたい。愛嬌を振りまくんです」。田口さんが作業中でもおかまいなしで、服を甘噛みしたり、帽子を取っていったり、首をくすぐったりと、ちょっかいを出し続けるそうです。

 

取材:小田原 澪(おだわら みお) 編集者・ライター。フィールドは多摩。三鷹市在住

 

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(いのきちさん23号 2015年7月1日発行 掲載)


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