今月のはな子|第19回「はな子の冬支度」

2018.07.20

『いのきちさん』過去記事紹介(『いのきちさん』19号 2014年11月1日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞『いのきちさん』。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事をご紹介していきます―

はな子の冬支度

季節が巡るのは早いもので、前回のいのきちさんで暑さ対策について紹介したばかりと思っていたら、今回はもう冬支度の話題です。今年の秋は例年になく涼しく、残暑をあまり感じさせないものでした。10月に入ると肌寒ささえ感じるほどで、寒がりのはな子にはつらい季節がやってきました。

先日までの冷房を暖房に切り替え、シャッターを半開にして暖気を逃さぬよう注意します。さらに気温が下がれば、ガスヒーターを併用し、舎内温度を25℃設定としますが、広い室内はそれより若干低めの温度に保たれます。

ちなみにはな子の大きな体が実際に温まっているか、毎朝放射温度計で体表温をチェックするのが獣医師の日課になっています。こうしたきめ細かい健康管理がはな子の長寿記録更新の秘訣といえるでしょう。

 

山本藤生 井の頭自然文化園 飼育展示係長

 

本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。
(『いのきちさん』19号 2014年11月1日発行 掲載)

体表面の温度測定に使っている放射温度計


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