今月のはな子|第18回「はな子の夏対策―今年は桃缶―」

2018.07.17

『いのきちさん』過去記事紹介(『いのきちさん』18号 2014年9月1日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞『いのきちさん』。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事をご紹介していきます―

はな子の夏対策―今年は桃缶―

毎年夏がやって来ると、飼育担当者は暑さ対策に頭を悩ませます。エアコンの温度をこまめに設定したり、放飼前にシャッターを開けて外気温との差を縮めたりと細かく気を使ってはな子の健康管理に努めます。それでも猛暑時にははな子の食欲が落ち気味になるので、少しでも栄養があって、しかも彼女の嗜好にあった季節のものを工夫しなければなりません。

今年の春先から好んで食べていたヤマイモにも飽きてきたのか、残すようになったため、栄養的にはあまり期待はできないのですが、夏の初めにナスに切り替えました。最初は珍しいせいもあって良く食べていたナスも、しばらくしたら残すようになりました。

そこで、色々と試したところ、桃の缶詰が好きな事を発見しました。1日に10缶、重さで2.5㎏ぐらいの甘い桃をつるつると喜んで食べています。

では桃が漬かっていたシロップも好むかと思い、湯に溶かして与えてみましたがこちらは嫌ってそっぽを向いてしまいました。本当にはな子の好みを把握するのは難しいと改めて感じた次第です。

現在(2014年8月20日)、はな子は毎日スイカ2玉と桃缶、そして主食のバナナと果物三昧のメニューで暑い夏を乗り切るように頑張っていますので、是非皆さんも応援してくださいね。 

 

山本藤生 井の頭自然文化園 飼育展示係係長

 

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。
(『いのきちさん』18号 2014年9月1日発行 掲載)


← 第17回「大島からの訪問団」

→ 第19回「はな子の冬支度」