「アートマーケッツと ヘブンアーティストな人々」と「井の頭自然文化園の動物たちと飼育員」

2019.05.17

「いのきちさん」過去記事紹介(いのきちさん37号 2017年11月15日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞「いのきちさん」。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事ご紹介していきます―

このコーナーでは、19号まで「アートマーケッツとヘブンアーティストな人々」を、20号以降は「井の頭自然文化園の動物たちと飼育員」をお届けしてきました。この二つの連載、書き手が私だったという以外に、もう一つ共通点がありました。どちらもほとんどは、直撃取材で書いた記事だったんです。

アートマーケッツの出展は、お天気や季節によってまちまちです。初めの数回こそ事前に取材を予約していましたが、すぐにその方法は頓挫しました。そこで毎回、私が取材しようと決めたその日に出展しているキャストに、そろりと近づいていってその場で取材交渉。ときにはリレーのように、次の回のキャストを推薦していただくこともありました。

取材者にとっては、直撃取材はビクビクするものです。でも心配は毎回杞憂に終わり、みなさん驚きつつも快く受けてくださいました。パフォーマンスや接客の合間に、出展にかける想いをたっぷりうかがいました。

キャスト同士の仲が良く、情報交換をしたり、トイレ休憩中に代わりの店番をしたり、という場面をよく見かけました。和やかな雰囲気が、週末の井の頭公園にぴったりで、その和やかさに私の取材も支えられていました。

井の頭自然文化園では、飼育員が数種の動物を並行して担当しています。どの動物を取り上げるかは、取材当日に告げられ、私は予備知識なしで取材に臨んでいました。

動物の特徴と、飼育員の日常業務、そして飼育員だから知る動物の習性。この3点を欠かさずに尋ねました。おっちょこちょいな動物の一面を語られることが多く、その雰囲気ごと記事にしようと心がけました。回を重ねるうちに、「この子には面白いネタがあるから」と選んだ理由を明かされたり、「いまの話、面白かったですか?」と確かめられたり。同時に、特性がよく表れる展示の工夫や、動物との存外さばけた関係からは、ペットとはまったく違う、教育施設での飼育の姿勢を学びました。

多面的に雄弁に語ってくださった飼育員さんとの共同作業によって、井の頭らしい動物記を綴ることができたのではないかと思っています。

小田原 澪 編集者・ライター
フィールドは多摩。三鷹市在住。

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(いのきちさん37号 2017年11月15日発行 掲載)