【井の頭自然文化園の動物たちと飼育員 第8回】 ツシマヤマネコと唐沢瑞樹さん

2019.03.08

「いのきちさん」過去記事紹介(いのきちさん27号 2016年3月1日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞「いのきちさん」。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事ご紹介していきます―

井の頭自然文化園が全国9施設とともに保護・繁殖に努めているツシマヤマネコ。ちょうど1年前の2015年3・4月号掲載時には非公開でしたが、その後10月に4頭のうちメスのノリの展示が始まりました。

小屋は日当りがよく、対馬の自然環境を模して笹や草が生い茂ります。「草でよく見えないと言われることがあるのですが、日中は隠れるのがツシマヤマネコの本来の姿。たとえ見えづらくても、調べたり、野生に思いを馳せたりするきっかけになれば、展示の意味があると考えています」と飼育員の唐沢瑞樹さん。

「ノリは用心深い性格で、えさをやっても10分ぐらい駆け引きしてからようやく食べるほど。その上周りが食べカスだらけになるんですよ」。日によって馬肉や鶏肉、鶏頭やネズミを与えますが、ノリはきまって馬肉など食べやすい順に口にするのだとか。

ツシマヤマネコは繁殖のために、協力施設間を移動することがあります。引越先でのストレスを少しでも減らすのが、飼育員たちの大命題です。そこで全国の飼育施設による協議の結果、バラバラだった飼育方法の統一化が進んでいます。ツシマヤマネコが少しでも快適に暮らせるように、施設を越えた飼育員の知恵が、飼育方法に詰まっているのですね。

小田原 澪 編集者・ライター
フィールドは多摩。三鷹市在住。

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(いのきちさん27号 2016年3月1日発行 掲載)